2017年1月3日火曜日

レコ大の八百長、上等!! 芸能ってそうやって楽しむもの



【今年も“ガチンコ”じゃなかったレコード大賞】(「リアルライブ」2016年12月31日配信)という記事があった。横目で読み流したままにしておいたらすでに去年の話になっていた。間抜けである。けれども改めてよく考えてみれば、やはりこれはたいへん重大な問題である。重ね重ね間抜けである。本文を抜粋する。



《西野(カナ)の曲は大賞の審査対象となる「優秀作品賞」に11年から6年連続で選ばれていたが(「あなたの好きなところ」が)悲願の大賞獲得となった。

また、最優秀新人賞は韓国の人気グループ・BIGBANGの弟分にあたる韓国の男性7人組「iKON」が選ばれたのだが…。

「今年のレコード大賞の内幕は大混乱。それというのも、『週刊文春』が昨年大賞を受賞した三代目J Soul Brothersの裏金工作をすっぱ抜いた。そのため、3連覇がかかっていた三代目がまず消え、三代目と同じレコード会社のAAAがそのあおりで優秀作品賞には入ったものの、大賞受賞がならなかった。そこで浮上したのが西野。西野はレコ大に絶大な権力を持つ芸能プロが版権を持っているので毎年大賞候補と言われていたがようやく大賞をとった」(音楽業界関係者)

三代目のスキャンダルは新人賞にも波及したという。

「当初、最優秀新人賞は林部智史で決まりと言われていたが、文春に書かれてしまったため、iKONが受賞。とはいえ、2組ともに同じ芸能プロが利権を持っているのでどちらが受賞しても変わらず」(同)

どうやら、結局、今年も“デキレース”だったようだが、再来年で節目となる60回。このまま存続していても体質が変わらないのならば、そろそろ開催自体を見直した方がよさそうだ。》



つまりレコード大賞はそのお題目の通り各新聞社の記者が中心となって公正な審査で選定しているわけではなく、「レコ大に絶大な権力を持つ芸能プロ」などによってあらかじめ受賞曲が決められ、不正な利権獲得の場になっているというわけである。そうするとこれを後援し、毎年12月30日には『輝く! 日本レコード大賞』を放送しているTBSもカネに目がくらんだ茶番劇のお先棒を担いでいることになる。



たしかに2016年の大賞受賞曲、西野カナ「あなたの好きなところ」のセールス実績を見ると、とても大賞にふさわしいといえるものではない。



《「オリコンのシングルランキング最高位5位で、16年の年間シングルランキングでトップ100にも入っていない。かといって、売上枚数以外に突出した何かがあるわけでもない。」(テレビ局関係者)》(「ビジネスジャーナル」2017年1月1日)

で、とうとう

《普通に考えれば、あまりに意味不明で、なぜこの曲が選ばれたのかを説明するほうが難しい」(テレビ局関係者)》(「ビジネスジャーナル」)

とまで書かれてしまう始末である。



果たしてこのようにあからさまな不正が許されていいものであろうか!!! 消費者や視聴者を愚弄し、その利益を激しく損なっているのである。公正取引委員会やBPO(放送倫理・番組向上機構)はいったいなにをやっているのであろう? 断乎として声を上げるべきではないか!!!!!



しかしなによりも首を傾げるのはここまで「デキレース」とはっきり書かれているのに、主催する日本作曲家協会もまたTBSもいっさい反論しようとしていないことだ。要するに「デキレース」であり「ガチンコ」ではないことを暗黙に認めたと受け取られることを承知のうえで、頬っ被りを決め込んでいるのである。



なぜ頬っ被りを決め込むのか? そうしていればやりすごせると考えるからで、その根底には、これらの問題は週刊誌といわゆるネットニュースでしか報じられていないという事情がある。テレビはじめその他既存の大手メディアにはまったく扱われていない。



こうした週刊誌+ネットと既存大手メディアとの報道の解離は最近とみに激しく鮮明になってきている。たとえば「嵐」の松本潤(33)の井上真央(29)&葵つかさ(26)との二股交際疑惑も、テレビではいっさい報じられていない。そこはまだジャニーズ事務所のグリップが効いている。レコード大賞にしても『週刊文春』が昨年10月に報じたLDHによる1億円買収疑惑を取り上げたテレビ局はない。



しかしながら現実問題として日本レコード大賞が2016年もデキレースであり、松本潤が井上真央&葵つかさと同時進行していたということは、すでに多くの人間が知っているのである。周知の事実。私の周りでは全員が知っている。ほぼ常識といえるほど膾炙しているのである。おもしろいから。



ここのところの事情についてはダウンタウンの松本人志(53)も危機感を抱いているらしい。フジテレビ系『ワイドナショー 元旦SP』(2017年1月1日放送)で語っている。『オリコン』(2017年1月1日配信)からご紹介しよう。



《「いまだに事務所の力関係で大きい事務所の(芸能人の)スキャンダルは扱えなかったりすることがあるんですね」と実情を告白。そうした不自然な状況に「そういうのは一般の人にバレてるから。なんであのニュース扱わないのとか、今やネットでさんざん上位に上がっているのにワイドショーでは一切扱わないこの“違和感”は、テレビ業界の人たちもそろそろ気づいてほしい」と嘆いた。

続けて「そうしないとテレビはどんどん時代遅れになっていくし、芸能界ってやっぱり変な世界だなって、どんどん一般社会と離れていってしまうのが、寂しいというか悔しい」と、視聴者と芸能界の感覚のズレに危機感を訴えた。さらに、「一番損をするのはタレントだと思うんです。どんどん(視聴者)が離れていって、誰も芸能界を信用してくれなくなるのはイヤだなと思います」と主張した。》



松本人志はいまだに自分たちに都合のいい情報だけを流させようとする芸能プロダクションやそれに唯唯諾々と従ってしまうテレビ局の“鈍さ”に不安を抱いているのである。ちょうどその場に川谷絵音(28)との不倫問題に関連してあの手この手でテレビ局を懐柔しようとしてきたサンミュージックのベッキー(32)や、ゴリ押しコワモテで知られるバーニングプロダクション所属のウエンツ瑛士(31)がいたのには笑えた。



えっと、つまりいまのテレビは一般論として大手プロダクションによるスキャンダル潰しがあるということはいえるけれども、ベッキーやウエンツ瑛士に個々の事例を語らせることはできない。ましてやレコード大賞の選考の怪しさを語ることなどとてもではないけれどできない、という位置にいるのである。まあ、ベッキーとウエンツ瑛士を見逃して切り込んだつもりになっている松本人志が間抜けなのかもしれないけれども。わずかながら前進はしている。



とはいえネットニュースにはいまのところ不正を繰り返すレコード大賞の脅威となるほどのチカラはない。独自の取材力がないからである。致命的である。であるからネットニュースはだいたい週刊誌などの記事を追いかけて書く。もし『週刊文春』がなくなればネットニュースはひどくさみしいものになる。いくらか情報人脈をもっていると思われる『サイゾー』グループなど、もっと奮起していただきたいものである。



ニュースを掘り起こすチカラは弱くても人物や場所の特定など調査はネットの得意分野である。最近では「成宮寛貴の友人A氏」を短期間で特定して目をみはらせた。もちろんネット上で醸成される世論も大きなチカラにはなりうる。けれども、たとえばレコード大賞の利権である大賞曲の売り上げを抑えるといったところまではまだいっていない。だから怖がられていない。



いまのところネット上の声は、「テレビなんかじゃあんなことをいっているけれど、ほんとうはこうこうこうなんだ」というヒソヒソ話が少し大きくなった程度のものでしかないだろう。



しかし腹は立たない。レコード大賞が「デキレース」だからといって本気で怒っている人間は、実はごくごくわずかである。と、思う。さっきは“断乎として声を上げるべきではないか!!!!!”などと怒ったフリをして申しわけなかった。あれはものの弾み、冷やかし半分というものである。



いまの日本人は舞台裏のドロドロ、茶番劇までも含めて芸能を楽しんでいるのである。このコはずいぶん遊んでるけど清純派っぽい演技、上手いわねえ、とドラマを冷たく見つめるほどに洗練されているのである。レコード大賞の場合でいえば、なんだかイチバン可哀想なのは西野カナだねえ、と。



こうした芸能の楽しみ方はたぶん日本に独特のものだろうと思う。立て前と本音が幅を利かせ、諦めや嫉妬がしみついている精神風土が基盤にあるような気もする。あるいは芸能すなわち賎業という意識、またとくに音楽に限れば大衆音楽の歴史の浅さ、位置づけの低さも影響しているかもしれない。



そんなようなわけであるからもちろん日本の芸能人にプライバシーはない。ただ芸を披露しているだけでは大きな人気を得られないのである。それどころか逆にプライバシーの部分でも人をひきつける要素があることを期待される。“ひき出し”などといって。芸能人は生活のすべての時間にわたって演技をするか、逆に開けっ放しにすることを求められる。



テレビが登場して人ははじめて他人の顔をマジマジと見つめられるようになった、その“顔”のおもしろさがテレビの魅力である、というようなことを以前に書いたことがある。それがいまはネットのチカラを借りてさらに高度に洗練され、他人の人生をマジマジと見つめる魅力に移行しつつあるのである。



であるからレコード大賞のデキレースはけしからん!! という方向ではなく、強い影響力を持っているといわれるバーニングプロダクション社長・周防郁雄(75)ってどんなヤツなの? の方向へと興味は向かい、その人生や生活をぬるーく消費しようとするのである。



ぬるーくというのは徹底的に突き詰めようとはせず噂の範疇に留めておいて弄ぶという、これまた曖昧さをもってよしとする日本的な感覚のなせるわざである。いま2ちゃんねるなどで盛んに行われているそうした遊びがたぶんこれからはもっとますます盛んになり、ネットニュースのひとつの傾向をかたちづくるのであろうと思う。総叩き、バッシング、吊るし上げも増える。



加藤紗里(26)&加藤綾菜(28)のW加藤、叶姉妹などの存在とそこに注がれる好奇な視線はこうした芸能のあり方、楽しまれ方を如実に物語っている。レコード大賞を私物化して金儲けを企むようすを見るのもお笑い、そのお先棒を担ぐテレビ局のだらしなさもお笑い、大賞曲を歌う歌手も哀しきお笑い、どこかブラックな芸能人を泳がせておくのもお笑いなのである。



私の場合でいえば、きっと、そのうちにほんとうのことかウソかということさえもどうでもよくなってきて、ボーっとした目でニヤニヤと暮らすようになるのである。そうなれば私にとっても、もっぱら金に執着する抜け目のない目付きの連中にとっても、きっと天国のような日本なのである。というか、それ以外のまっとうな方々はたいへん生きづらくなるのである。(了)








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