知り合い夫婦の家でミニチュア・ダックスフンドを飼っています。ダックスフンドの割には鼻が短くて黒くて可愛いヤツ(♂)です。ところがコイツ、実に不思議な行動をします。飼い主・夫が帰宅する20分ほど前から玄関のほうを向いて鼻を鳴らし、吠えはじめるのです。そうして飼い主・夫が帰ってくるまでやめません。
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私が実際にこの目と耳で確認したことで、もちろん、吠えるようにと飼い主・妻がこっそり指示出しをしたわけでもありません。不思議なことです。帰宅20分前というと、飼い主・夫は自宅方向に向かうバスに乗っていたそうです。
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飼い主・妻によるとそれはいつものことで、犬が夫の帰ってくる時間を教えてくれるといっていました。そんなことがあるのでしょうか? 犬を飼っている人、飼っていた人、何人かに聞いてみましたけれども、なんと! 飼い主の帰宅はるか以前から吠えはじめるのは、それほどめずらしいことでもないというではありませんか!! どうですか? 愛犬家のみなさま。
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ただし、いまでは飼い主が玄関を開けて帰宅した際に喜んで吠えるだけでもムダ吠えとされているようで、吠えないようにしつけられることもあるようです。え??? 通りがかりの知り合いがいま吐き捨てていきましたけれども、そんなのはもう常識だそうです。犬の感情表現はどうしてくれるのでしょう? 人間さまの都合ばかりではありませんか。
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「うちはその点、あんまり近所迷惑にはならないので、フォッフォッフォー」、と一戸建てのあるじ、飼い主・夫はほざいておりました。
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うむ。もとい。犬は千里眼なのでしょうか? ありきたりないいかたですまんのう。まあ、たぶん、予知能力というよりは、なんらかの兆候を察知して吠えているのでしょう。もし予知能力があるのなら、災害の前には町中たいへんな騒ぎになってしまいます。
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では、その兆候とはなにか? ということになります。犬はなにからその兆候を察知するのでしょうか? 音? 犬の可聴範囲は40Hz〜60000Hzといわれていて、低域はほぼ人間並みですが、高域は人間が聴きとれる限界の1万8000Hzをはるかに上回っていますから、この部分に秘密があるのかもしれません。
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匂い? おお、犬は人の100万倍〜1億倍の嗅覚をもっているという記述もネット上にはあります。そうか、飼い主・夫の加齢臭が遥か彼方のバスの中から飛んでくる、と。そのほか電磁波というものも考えられそうです。
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で、ここで思い出すのがジェームズ・ラブロック(96)です。科学と皮肉屋の国、イギリスの伝統を受け継ぐこの男、「ガイア仮説」の創唱者として有名なこの男が、1956年につくった電子捕獲型(ECD)ガスクロマトグラフィーです。
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このECDガスクロマトグラフィーによって、人は地球上に存在する微量物質を、それまでの100万倍以上の高感度で分析できるようになりました。その結果、DDTやディルドリンといった化学農薬が、すでに地球環境全体に存在していることがわかってしまったのです。
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そうしたデータを裏付けにして書かれ、1962年に発表されたのが、これもまた素晴しく有名なレイチェル・カーソン(享年56)の『沈黙の春』です。地峡環境汚染問題のはじまりです。
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うむ。当時、イギリス国立医学研究所に在籍していた研究者のジェームズ・ラブロックが自分たちの医学的研究用につくつたECDガスクロマトグラフィーの誕生から、わずか6年で『沈黙の春』です。何かうさん臭いものを感じません? 私だけ?
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性格がぐんにゃり歪んでいる私ですから、ここだけ特別に犬並み、超能力的に鼻をきかせるわけですよ。しかし、この1960年代から手際よく、というか周到に、環境汚染は企業家や政府がおかした過ちではなくて、人類みんなの課題になっていったのは事実です。
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そしてたぶんもっとさかのぼって1950年代の中ごろには、こうした環境汚染だとかエネルギー危機、資源の枯渇といった「人類的課題」はほとんど把握されていたと思うんですよねー。もっと裸眼に近いスケールで。いまはまだ根拠を見つけていないんですけれどもー。そー思うんですよねー。そーに違いないんだけどなー。
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もとい。ですから犬の知覚には、私たち人間からするとまさにECDガスクロマトグラフィーのような性能があるというわけです。ECDガスクロマトグラフィーは物質についてですけれども、これを音や電磁波などの波動、あるいはもっとほかの、たとえば温度とか放射能とかというふうにどんどん広げられれば、犬がなぜ飼い主が帰宅する20分も前にそれを察知できるのかがわかると思うのです。
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それにはたぶん、「ある」「なし」だけではなくて、状態、たとえば音であればどんな音がどんなふうに、というところまで感知できるようになることが必要でしょう。
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そうすると、同じように、いま私たちがときどき口にする「気配」だとか「毒気」「瘴気」などの正体もわかってくるかもしれません。「気」の超高性能センサーと解析器。いつかは必ず実現されるはずです。
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で、そうなってくると、たぶん幽霊、ゴーストの正体もつかめるはず、と私は思います。その前にもっと単純に、犬にわかって人間にはわからない存在のしかたがあるのなら、人間にとっての“幽霊”がほんとうにいても不思議はない、ということです。今日いいたかったことはこれです。まー、くだらないといえばくだらないですけれども。
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ともあれ、生体磁気、人の体から発している磁気はその人が立ち去った後もその場にしばらく残ることは知られるようになっています。「生体磁気」の研究はいま、生体磁気診断や脳磁界計測へとすすんでいます。近い将来、医学関係者にあっと驚くインパクトのある成果が得られるかも、と期待の分野ですね。私は幽霊の正体探しにも貢献があるのではないかと睨んでいるのですけれども。ムー。
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そういえば、犬が突然、誰もいないところに向かって吠えるというのも、たぶんほんとうにナニモノかの存在を察知しているからなのでしょう。怪談話によく出てきますけれども。なんだか今回は“たぶん”ばっかりで恐縮です。で、要するに、それが計測できればいいわけです。そして近い将来そうなるでしょう、と。
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最近の、加工したのがバレバレの心霊動画、たとえばコープス・ペイントした幽霊とか、シャドウのオーバーレイとかそんなこんなで夢を失いかけていたあなた、まだまだあきらめてはいけません。
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とはいえ、そんな機械が発明されて、おお、こっちにも幽霊、あら、あっちにもゴースト、というようなことになってしまうと、なんだかいろいろと、そうとう恥ずかしいことになってしまうのではないか、と私はいまから不安です。
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人の目を忍ぶことはできますけれども、幽霊やゴーストには見られてしまう、というか見られていることがわかってしまうわけです。ヤツら壁をすり抜けるし、天井からもやってくるといいますから。ああ、不安。幽霊やゴーストがほんとうにモノを見ているのかもまだわからないのに、もう心配。
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仮にいままでも見られていたにしても、それをこちらがわかっていなければ平気だったのに。ああ、あんなことも、こんなことも見られている……。で、幽霊によるプライバシー侵害という問題が起こってくるわけです。幽霊汚染。知らなければよかったのに。でもって、ゴーストフリーなんていう埋葬法や新建材が開発されたりするのですよ。たぶん。(了)
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