アイドルがいっぱいである。いまやアイドルではない歌手を探すほうが難しい。女ならmiwaとか男なら秦基博とか、『シオノギ・ミュージックフェア』(フジテレビ)に出ている連中がとりあえずアタマに浮かぶ。あれ? しかしすでにして26歳と35歳である。アイドルと呼ばれる年齢から10歳(miwa)から20歳(秦基博)も離れている。
*
日本全国にアイドルはいったいどのくらい存在しているのか、というと、上武大学ビジネス情報学部教授の田中秀臣(54)は「5000人ほど」と聞いているらしい(「ビジネスジャーナル」2016年6月25日配信)。1万人以上という説もある。
*
日本の総人口は約1億2700万人(2015年簡易国勢調査 速報値)であるから、仮にアイドルの総数を5000人とすると、国民2万5400人に1人がアイドルであるという計算になる。あまり意味はない。貧乏人は割り算が好きなのである。
*
ただ、人口25万人程度の地域から平均して10人のアイドルが輩出されている、という目安にはなる。たいしたものである。そういえば私の地元にも地域密着型アイドルというのがいるらしい。名前は知らない。
*
いま巷間いわれている「アイドル」というのは、歌でも踊りでも芝居でも、それ1本では勝負できない人たちである。アイドルの最大のウリは可愛らしいことである。いまをときめくBABYMETALも「kawaiiとMETALの融合」がテーマであった。カワメタルなどと縮減された呼び方をされていないのはなによりである。
*
もとい、「アイドルの最大のウリは可愛らしいこと」、ここがポイントである。10代の女の子たちというのは、土台がブスでもなんでも、なんとなく可愛らしく楽しげに見えるものだ。そういうお年頃。
*
そう、“女の子とオバサンしかいない”といわれる日本独特の文化、女性観のなかでは、女の10代というのは人生で最高に輝く時期なのである。えっと、旬を迎えたシャコなのである。シャコ。なんだか今日もイライラしているのである。
*
この人生に2度とない、移ろいやすい可愛さをなんとか活用する方法はないものか、ということで、「アイドル」という答えになるのだろうと私は思う。「なんとか活用する」というのは「なんとか金にする」ということだ。
*
アイドルの稼ぎは、ライブに客を呼べば入場料の20%〜25%程度がもらえる「チケットバック」やらそのライブでの「物販」、あとは一般芸能人と同様である。「一般芸能人」のレベルに達していなければ事務所からの給料は限りなくゼロに近く、「チケットバック」と「物販」、そしてアルバイトでしのぐ。
*
そういうわけで、いわゆる地下アイドルと呼ばれる連中にはアイドル活動をやればやるほど赤字になるという場合もあるらしい。しかしなにはともあれ「アイドル」を名乗れば、その瞬間から自分の可愛らしさに経済価値が生まれるのである。おっと、ついやさしいいい方をしてしまった。値札が付くのである。
*
トップクラスのアイドルはどのくらいの収入を得ているのかというと、もちろん正確なデータはない。ネット上では以下のランキング形式の情報が伝わっている。
*
1 位 6800万円 ▶ 指原莉乃 HKT48
2 位 5900万円 ▶ 小嶋陽菜 AKB48
3 位 5300万円 ▶ 高橋みなみ AKB48
3 位 5300万円 ▶ 百田夏菜子 ももいろクローバーZ
5 位 5000万円 ▶橋本環奈 Rev. from DVL
*
元ネタは雑誌『エキサイティングマックス!』(「ぶんか社」2014年8月号)らしい。記事ではなんと50位の900万円▶傳谷英里香(ベイビーレイズJAPAN)までランキングされている。しかし名前を挙げられたアイドルのなかには反論した者も多い。ま、面白半分、参考程度というところだろう。
*
ちなみにSKE48の松村香織(26)は40位で1200万円と報じられている。これに対しての本人の反論が「1200万も稼いでたらもっと豪遊しとるわwww」、「余裕で半分以下だわ」であった。実際には500万円にも達していなかったらしい。
*
それにしても、「1200万も稼いでたらもっと豪遊しとるわwww」である。ぶっちゃけ、そこらのスレた、ハスッパOLと較べても遜色のないいいぐさである。あれ? いいかたがおかしいか。ハスッパOLとかわらない。
*
ステージから戻ってきてどっかと腰を下ろし、「今日の客、なんだかワケわかんなくね?」とか半分フテているようすが目に浮かぶのである。つまり、いまや「アイドル」とは、そう呼ばれる多くの女の子たちにとって、OLと同じ職業のひとつでしかないのである。
*
どうしてそうなるのか、といえば、「アイドル」にはなってみたものの、自分がそれほど可愛いとはいえないことを自覚しているからである。逆にいえば「アイドル」というレッテルを剥がせばまったくふつうか、ひょっとするとそれ以下の容姿の女の子なのである。
*
で、さらにしつこくどうしてそんなことになったのか? といえば、先に書いた通り、人生に2度とない可愛さをなんとか金にするために「アイドル」になるという安直な態度が、冷静に第三者的に見ればふつうかそれ以下の容姿の女の子の参入を許してしまっているのである。
*
おそらく、ほんとうにそこそこ可愛い女の子たちは、いまやアイドルになるのを嫌がるのではないか、とさえ思う。「いやだアイドルなんて。私はそんなにブスじゃない!!」という時代がきているにちがいないのだ。
*
なにをいいたいのかといえば、それだけで金になる可愛い十代は日本全国を探しても10人もいないだろう、ということだ。であるからその他大勢は、「アイドル」で食っていこうと思うのなら、自分のなけなしの可愛さを金が取れるレベルの商品に仕上げていかなければならないのである。
*
美容整形などということではない。芸能のスキルを上げることである。その努力がなければ、ヘンなたとえだが「レンタル赤ちゃん」とかわりがない。赤ちゃんは無条件に可愛いから、それだけで商売になる。
*
ああ、そういえばスクール水着で観客にダイブするとかファンとハグとか、そっちのほうにいく「アイドル」もいるらしい。膝の上に乗ったり。まるでお子さま向けお色気サービスである。売れるものはそれしかないのか?
*
そのいっぽうではテレビ局のプロデューサー、ディレクターなんかに媚を売りまくって仕事をもらうという話もよく聞く。まあ、愛想がいいのは悪いことではないし、仕事も結局は人間関係が決め手だから完全に否定するつもりはない。
*
しかしそれらはいずれも、少なくとも私の感覚でいう「アイドル」がやることではない。ほんとうの「アイドル」とは、誰もが思わず、否応なくひれ伏してしまう存在をいうのだ。たとえば? おお、それは畏れ多くてとてもとても。(了)
なんでもいいから。どうせ買うなら。↓↓ここからお願い!!
マジで売れていません!! 右のカラム分もよろしく!! お腹すいたー
*
*
*
*
0 件のコメント:
コメントを投稿