明治安田生活福祉研究所の調査によると、20代の未婚男性の53.3％、30代未婚男性の38.0％が交際経験なし、女性では20代未婚の34.0％、30代未婚の25.7％が交際経験なしだったそうです。調査対象は全国の20歳から49歳の男女3595人。（「BIGLOBEニュース」2016年6月22日配信 ）
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あのー、「交際経験なし」をどう考えればよろしいのでしょう? すなわち処女あるいは童貞と考えてよいのでしょうか? それとも素人とセックスしたことはない人、と考えればよろしいのでしょうか? 相手がプロなら交際なしでセックスするわけですから。そこのところ、私はアタマが悪いのでよくわかりません。
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仮に、まあそういうことだとは思いますが、30代未婚男子の38.0％、約４割が「交際経験なし」だとすれば、たとえば「嵐」の場合、メンバー５人中３人だけが「交際経験あり」で、残りの２人が「交際経験なし」だということになります。チェリー。というか、それが平均的な状態ということです。
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しかし、実際問題、大野智（35）、櫻井翔（34）、相葉雅紀（33）、二宮和也（33）、松本潤（32）。このなかの2人までもが「交際経験なし」だとは、とてもとても考えられません。相葉雅紀にだって彼女がいるというではありませんか。しかしこれもふつうだと思います。
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これもふつう、というのは、30代未婚男子の38.0％、約４割が「交際経験なし」ということも、「嵐」のようにたぶん全員が「交際経験あり」ということも、ふつうの範囲だと思うからです。別段とりたてて大騒ぎすることでもない、と。20代未婚男性の53.3％、約５割が「交際経験なし」でも、いいじゃん、別に、という感じです。
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最初にこのニュースを見たときはさすがにちょっと驚きましたけれども、この原稿を書くためにアレコレ考えているうち、そんなことは本人に任せておけばいいこと、周りがとやかくいう必要はない、という気分になってきました。
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そんなことをいいはじめたら、どうやったらヤレるか、手取り足取り教えなければならなくなるのは目に見えています。で、最終的には「オムツ替えて〜」というところまで行き着くでしょうね。
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勝手にしてよと突き放して、それで出生率が下がって人口減少に拍車がかかり、日本という国が衰退していくのなら、それは日本人が無意識のうちにそう選択したということなのでしょう。それはそれでしかたがありません。もう少し、明治安田生活福祉研究所の調査データをまとめてご紹介しておきましょう。
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《「交際経験なし」の人》
●20代未婚男性の53.3％、30代未婚男性の38.0％
●20代未婚女性の34.0％、30代未婚の25.7％
●20代・30代の男女とも「交際経験なし」の割合は増加
●とくに20代男性「の交際経験なし」の割合は30.2％から53.3％と2008年の前回調査から23.1ポイント上昇
《恋人がいる人》
●20代男性では、 22.3％で5人に1人
●20代女性では、33.7％で3人に1人
●男性は、20代が2008年の45.8％から22.3％に、30代も37.7％から18.0％へと半減
《結婚願望がある人》
●20代男性は38.7％で2013年度調査の67.1％から28.4ポイント低下
●20代女性は59.0％で82.2％から23.2ポイント低下
●30代男性は40.3％で52.9％から12.6ポイント低下
●30代女性は45.7％で60.3％とから14.6ポイント低下
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「交際経験」「恋人」「結婚願望」いずれをとっても、とくに20代男性が先頭を切ってダウンしているようです。20代女性もそうとうですけれども。
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もし真剣に、生殖適齢期にいる人々の性行動をもっと活発にして人口減少に歯止めをかけたいのなら、性教育実践編みたいなことよりも、この国のグランドデザインを明らかにすることだと私は思います。
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沈みかけた船とまではいわないにしても、行き先わからず漂流中の船の上で今夜もハッスル!! とはいきませんて。古いのう。疑い深い私は、どこかで誰かが描いているこの国の将来像が、実は意図的に隠されているという気持ちにさえなりはじめています。
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で、既婚者・未婚者・男性・女性をまとめた全体のなかで「交際経験なし」の割合はどの程度になるかというと、30代で25.4%、20代で40.6%だそうです。（「国立社会保障 人口問題研究所」「総務省 統計局」「相模ゴム工業株式会社」のデータから）
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このようにまとまると、街を歩くのが楽しくなります。とはいえ私、ついさきほどまでは、なんとか性行動を活発にするアイデアはないものか、とアダルトビデオのサイトを覗いたりしていたのです。
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その結果、以下のような素晴しいタイトル群を見つけました。本題とは関係ありませんが、アダルトビデオのタイトルだということをアタマに入れて、ぜひごゆっくりご鑑賞ください。
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「あの大獄をみて江戸へ船旅がなされたという」
「このワーナー映画のセットのような光景は」
「肩を張った大獄、御獄（not「嶽」）が見える」
「太腿に金色の柔毛! 襲う幼年の夢、海洋神話」
「青いスカートをひるがえすような大カーブだ」
「戦闘機が秩父連峯へかすめ飛ぶ」
「神馬にひかれて一気に飛びだして」
「お前の紫のシャッターは溶鉱炉だ」
「武蔵野は霧につつまれ」
「不思議な明澄が大地からゆっくりのぼってくる」
「ただその巨大な墳墓をあがめるがよい」
「きみの夢は一切の暴力の私有制のために悲惨である」
「生命の根元にうずくまってお前は寝ている」
「至上の命令権はおれが握っている」
「乳房がどうの、尻の形がどうの、素性がどうのと」
「怒り狂っておれの心臓の内部をかけまわる」
「朝、サウナ風呂に通うのが好きな優しい男なのに」
「飛来する言葉は幻の水滴」
「地獄の印刷所で終末は誤植される」
「想像も馬も裂けて別々に走っている」
「それが黄金の便器に人生の大半を吐瀉する」
「唐詩をくちずさむ」
「凝視するする白いピンの森を疾走する」
「貨幣の中心を破って顔を出すと幣の風が激しい」
「金色球場をオーバーラン」
「ぼく濡れた飛火の原罪、珈琲皿のヘリで燃える」
「貝類の論理が頭上を通過する」
「この二階の下に潮が満ちてきている」
「出口を失って世界が腐りはじめている」
「光、映像人間の幻想に関する魔術的予言」
「太陽は復活してはならない」
「男大蛇が月を巻く、まさに虚空」
「この歌も破裂航海船、海という容器もない」
「性器も裂けよ、頭脳も裂けよ」
「おれとお前のこの遠征には不思議に荘厳な死の予感がある」
「ワイパーよ、あまりの速度に扇形に曲るのか」
「男根の滑走! 流れるものすべて、水母たちの虐殺! 」
「尻の割れ目を過ぎて天文台が移動する」
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繰り返しますが、アダルトビデオのタイトルです。主に既存の作品を１分〜60分程度にダイジェストした投稿映像を低画質、無料で配信しているサイトです。タイトルなどはどうでもいいのでしょう。あるいは元のタイトルは使えない事情があるのかもしれません。
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とにかくテキトーに、いい加減にポエムしています。むかしエロ雑誌の広告ページで見つけた開運グッズのキャッチ「剛運が唸り! 爆運が炸裂する!!」に匹敵するおもしろさです。
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これらのタイトルを拾ったカテゴリーは「SM」です。なぜ「SM」カテゴリーを見たのかというと、好きだからです。というか、男は能動的→嗜虐的で、女は受動的→被虐的という特徴がそれぞれやっぱりあるのだろう、ということを考えていたからです。
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程度はさまざまですけれども、だいたいの場合はそういう役割分担になっています。そしてこれが20代、30代の腰を引かせているのではないか、と思ったからです。
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あの、実は私もよくはわかっていないのですが、そしてまたステレオタイプなことはいいたくないのですが、男は攻める女は受ける、ですね。あ? いま通りがかりの知り合いが「女の妄想って襲われるとかおおいよ!!」と吐き捨てていきました。やっぱりそうなのでしょうか。
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それで、実はこの「男は攻める女は受ける」の億劫さ、メンドくささが、最近のセックスの人気低迷の原因ではないかと思うわけです。本能的に攻めたい、受けたい、という人が減っているのではないか、と。
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そこにたどりつくまでのコストパフォーマンスが、時間が、などといういいわけは、 本能的に攻めたい、受けたいという欲望、願望の前にはまったく意味をなさないと思うのです。
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しかし「交際経験」にいたったあとでも、今度はそれぞれの性的パフォーマンスを評価されるという、「セックスという戦場」ともいうべき怖さが待っています。もう少し、なんとかならんか!! もとい、セックスのあり方をなんとか人間らしく進歩させるべきではないでしょうか。ケダモノから人間へ。
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また少し飛躍しますが、これまでのセックスが本質的にそういうあり方をしていたことが、例のアダルトビデオへの出演強要を生んでいる遠因のひとつになっているとも思います。「イヤよイヤよも好きのうち」的なごまかしが通用してしまう土壌がむかしからあった、ということです。
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そう、女のほうからすると、とりあえず「イヤよイヤよ」といっておかなければならない、でもそうするとホントにストップされかねない、とかいう問題にもつながるわけです。一方、実際に「イヤよイヤよ」を喜ぶ野蛮な男もたしかにいます。あーメンドくさい。メンドくさい。考えるだけでメンドくさい。
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やはりセックスは日常と地続きでは語れないものなのでしょうか。あー、メンドくさい。メンドくさい。くわばらくわばら。（了）
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マジで売れていません!! 右のカラム分もよろしく!! お腹すいたー
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