2019年1月14日月曜日

夢も希望もやる気もない「ふにゃふにゃ民」の誕生



しばらく机に齧り付いた生活を続けていたら、芯からふにゃふにゃになってしもうた。体幹がない。必殺するめ固め(byつげ義春)をかけられたようだ。



体幹がないというのはさすがに大袈裟だけれども、ふにゃふにゃというのはどういうことかというと、たとえば立ち上がった拍子に床に落としたものを拾おうとすると、他愛もなくバランスを失って四つん這ってしまう、前屈みのまま懸命に我慢するとトトトトトと前にのめる、もし最後まで転倒しないですめば、なんとなく自動的に前進できたようで少し得をした気分になる、というようなことである。



また、ふにゃふにゃになるとアイドルタイムがやたら長くなる。コーヒーを飲もうと思い立ってから実際にコーヒーを淹れて口元に運ぶまで、たっぷり2時間くらい経っていたりする。効率? 生産性? なによそれ? である。わかっていることとできることは違うのよ!! である。



そしてまったく根拠も共感もない自信に支えられて生きているワタクシはこう考える。ワタクシがこんなにふにゃふにゃになってしまったのには、きっとなにか大きな意味があるのだ。とても重要ななにかを顕現させようとする天の差配に違いない。



そんなまんざらでもない気分のワタクシの目に飛び込んできたのがコレだ(↓)。





◆『日刊ゲンダイDIGITAL』2019年1月12日配信
【金属バットの独特“ヘラヘラ感”はブレークする芸人に共通する】

《 面白いお笑いコンビには、ひとつの共通点がある。それは「ヘラヘラしている」ということだ。ネタを演じる前から、何かしゃべり始める前から、何となく雰囲気がふざけていて、薄笑いを浮かべているような感じがある。

私がこれまでに見てきた限りでは、この「ヘラヘラ感」がある芸人は強い。例えば、若手の頃のダウンタウンにはその雰囲気があった。また、最近メジャーシーンに躍り出た千鳥にも最初からそういう感じがあった。さらに言えば、芸人ではないが電気グルーヴのピエール瀧と石野卓球もかつて深夜ラジオでこういうノリを見せていた。

ヘラヘラしている芸人は、自分たちの間だけで通じる笑いの感覚をすでに持っている。そして、それを人前で隠そうともしない圧倒的な自信がある。それがタレントとして魅力的に見えるのである。

 〜 略 〜 》





「ふにゃふにゃ」と「ヘラヘラ」では後者がやや挑発的であるという点で違いがあるけれども、柔らいという点では同じようなものだ。「ふにゃふにゃ」のワタクシも小さなときから「ヘラヘラ」だといわれ続けてきた。



「ヘラヘラ」は自分たちの笑いの感覚をもっていて圧倒的な自信がある、ということがタレントとしての魅力であり、売れる要素であるとこの記事ではいいたいようだ。しかしその前にもっと大切なことがある。



「ヘラヘラ」、「ふにゃふにゃ」は、とにかく世間の風を受けやすく感じやすいのである。見るからに無力っぽいので要らぬちょっかいを出されることも多く、またそれを防ぐ手立てもない。しかしそれだからこそ時代の色や臭いを鋭敏に感じ、そこからブツブツフツフツ考えたりすることもできる。まあ、お笑いかギャンブラーになるくらいしか役に立たない性質ではあるけれども。



逆にたとえばワタクシがガチガチゴリゴリのパワフルとうさんだったとしたら、世間の風など無意識のうちに撥ね除けてしまい、あっというまに現状が理解できなくなる。ネットで大声を張り上げている方々はバカばかりに見えるのも、こういう事情からきている。



「ヘラヘラ」、「ふにゃふにゃ」のもうひとつの特徴は、世間をよく理解してはいるのだけれども、なかなか行動しないことだ。バカなパワフルとうさんやおばさんがあちこちすばしっこく動き回るのを横目に「ヘラヘラ」、「ふにゃふにゃ」している。



したがって「ヘラヘラ」、「ふにゃふにゃ」はアパシー(apathy= 無気力症)とか緩慢な自殺といわれることもある。そんなことをいっているのはこのワタクシだが。



でもってジャニーズのタレントを捕まえて、「やっぱり貧乏な育ちの子は根性、気合い、モチベが違うよね」、などと自分はまったく動かずにシレッと呟いたりしてみる。「ふにゃふにゃ」「ヘラヘラ」は厭なヤツなのだ。



ああそうか。ワタクシがふにゃふにゃになったのはこの文章を書くためだった、ということにしておこう。イヤな「ふにゃふにゃ」だこと。



しかし、いまや世間はもっぱら「ふにゃふにゃ」のほうを大量に生産しようとしているのである。世間は「ふにゃふにゃ」を求めている。こういう紹介の仕方はご機嫌を損ねるかもしれないけれども、ちょっとご覧をいただきたい。↓





◆『HARBOR BUSINESS Online』2019年1月13日配信
【「今より悪くなったら死ぬしか選択肢がない」格差社会の底辺で生きる人々の叫び】

《 ’19年10月の消費税増税は、新たな下流社会の幕明け―。賃金が一向に上がらないままでの増税は、消費が確実に低迷し、企業の収益や税収が悪化、賃金はより下降して、本格的な“デフレ”の再来が懸念されている。さらに外国人受け入れ問題、急速に活用が進むAI(人工知能)など、誰もが当事者たり得る“下流転落の火種”が忍び寄る。僕らの未来にあるのは希望か絶望か。

◆底辺にいるボクたちは、もう死ぬしかないのか

下流の中でもさらに“底辺”に陥ってしまった人たちは、迫り来る不況をどう感じているのか。そこでネットカフェ難民の小松勇気さん(仮名・26歳)、格安シェアハウスに住む中村真司さん(仮名・35歳)、50代単身女性でゴミ屋敷に住む室橋朝子さん(仮名・54歳)に、今後の行く末について鼎談していただいた。

《鼎談参加者》

●小松勇気さん(仮名・26歳)…年収130万円。日雇いバイトで何とか生きているネットカフェ難民。ネカフェ代が足りないときは野宿をせざるを得ない日もある

●中村真司さん(仮名・35歳)…年収50万円、ニート歴10年。月3万円のシェアハウスに住み、貯金を切り崩しながら生活している。最近日雇いを始めた

●室橋朝子さん(仮名・54歳)…年収140万円。ぱっと見は清潔感のある上品な熟女だが、家は盛大なるゴミ屋敷。給料日前は食うに困ることもあると話す

小松:最近、僕の住まいのネットカフェに、若者だけではなく中年も増えてきました……。日雇いの人たちが、シャワーに行列をなすこともザラ。下流落ちの人たちが徐々に増えているんですかね。

中村:僕の住むシェハウスにも、路頭に迷った中年や外国人労働者たちが入居してきますよ。たった3万円の家賃も滞納して、不動産屋に追い出された人を見ると、もう切なくなる……。

◆ネットカフェ1か月パックに難民たちが群がっています(小松さん)

小松:貧困ビジネスが普及しているのが顕著なのが、ネットカフェに“1か月パック”が最近導入されていることです。どの店も3万~5万円の幅で使い放題で、難民たちが群がっている。

室橋:それならアパートを借りたほうが安いのでは? ゴミ屋敷だけど家賃4万円なので。

中村:いや、最初の敷金・礼金すら捻出できないのが、ボクらなんですよ(苦笑)。前にシェアハウスの中で、冷蔵庫の中の食材が盗まれる事件も多発したんです。防犯カメラで見たら、犯人は複数人いたというのが衝撃的で……。

小松:だからゴミ屋敷でも、家があるのはリッチですよ(苦笑)。

室橋:いやいや、私自身も本音を言えば、こんな家に住みたくない。困窮の果てにできあがってしまったんですよ、ゴミ屋敷が。

小松:どういうことですか?

◆清掃業をしているが自宅の清掃をする体力は尽きた

室橋:長く保険営業で働いていましたが、大病を患い一時右足が不自由になり仕事ができず、生活保護を受けていました。どうにか社会復帰を果たそうと、必死でしがみついたのが低賃金の清掃業。頑張っても月の手取りは13万程度。病気のせいで体力も落ちているから、疲れて家の掃除もできなくて……。

小松:清掃業がゴミ屋敷をつくる、という闇は大きいですね……。

中村:主に部屋には何が積み上がっているんですか?

室橋:趣味の古書が多いです。便利な世の中で、ヤフオクやメルカリなどで簡単に買えてしまう時代。お金はないのに、制御が利かないんですよ……。

小松:でもゴミ屋敷って、近所でも問題になりませんか?

室橋:なっていますよ。同じアパートの住人は上も下も隣も、みんな引っ越してしまいました。地域の交流は皆無。職場と家の往復だけの毎日です……。

小松:僕も日雇いで、主に工場で働くので交流はないです。ましてやネットカフェなので。

◆ボクらに選択肢はないから体を壊したら死ぬしかない(中村さん)

中村:その点では僕は救われています。僕がシェアハウスに住む理由として、“孤独死をしないため”が大きい。他の住人が気づいてくれる、助けてくれる。一つの保証なんですよ。

小松:僕は体を壊したら終わりです。だから最近は「炊き出し」ももらいに行くし、最悪の場合、ホームレスも視野に入れています。

中村:はい、僕も日雇いだから一緒です。毎日不安を抱えて生きている現状です。

室橋:私自身は一度死にかけていますから。昨年の夏、ゴミ屋敷の中で熱中症で倒れてしまいました。偶然、ケースワーカーの訪問があって助かりましたが、医者からは「あと1時間来るのが遅かったら死んでましたよ」と宣告されました。今年の夏、乗り切れるか心配です……。

小松:僕は漠然とですが、30歳まで生きているとは思えません。何度這い上がろうとしても、失敗して、奈落に突き落とされてきましたから。

中村:これより悪い状況になったら、もう死ぬしかない。ボクらには選択肢なんてないですから。》





もう少し上手くやれよ『HARBOR BUSINESS Online』。「死ぬしか選択肢がない」とはどういうことだ?



日本国憲法第25条に

第1項:すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する

第2項:国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない

と規定されている生存権はどこへいったのだ?



生活保護の申請は出したのか?
「援助してくれる身内、親類がいない」「資産がまったくない」「やむなく働けない」そして「月収が最低生活費を下回っている」という4つの条件が満たされれば生活保護を受けられるのではないのか?



いやいやこれは「ふにゃふにゃ」を蔓延させるためのワナなのである。「月収が最低生活費を下回っている」という生活保護支給の条件を手がかりに見てみよう。



まず、最低生活費は単身で東京都の場合、およそ月額13.7万円である。ふうん。小松勇気と室橋朝子は収入的に受給資格ギリギリのセンだし、年収50万円の中村真司は貯金があるのでそもそも最低生活費うんぬんの話には該当しそうにない。つまりこの記事はカツカツ生活保護を受給できないっぽい3人の鼎談で成り立っているのである。年齢も適当にバラけて26歳、35歳、54歳。ふうん。



まあ騙されてみよう。現状3人に大きな健康上の問題はなさそうだ。さらに室橋朝子にいたっては趣味の古書を買い集めている。これで「死ぬしか選択肢がない」といわれれば、そうかそれじゃ自分もそうなるのかなー、と戦意喪失する人間が後を絶たないではないか。で、「ふにゃふにゃ」が増える。少なくともワタクシはそう思う。



まあ、実際のところは『HARBOR BUSINESS Online』が【「今より悪くなったら死ぬしか選択肢がない」格差社会の底辺で生きる人々の叫び】をただ小手先ででっちあげてみました、というところであろう。しかし「ふにゃふにゃ」は増やすしリアルに底辺で生きている方々のためにもならないし、コレはまずい。罪つくりである。



日本全土に瀰漫した「ふにゃふにゃ」、そして自らの将来をも放り出した真正「ふにゃふにゃ民」は、いまや日本を絶望の国に変えようとしている。それについてはまた次回。(了)





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