『ダウンタウンなう』(フジテレビ、2016年6月17日放送)で、松本人志(52)が霊能者に騙されそうになった、という話をしていた。その霊能者とは『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ)で出会ったという。
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ことの顛末は、このときの松本人志の発言を紹介した『トピックニュース』(2016年6月18日配信)から抜粋させてもらおう。メンドくさいので。
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《霊能力者は、霊が見えると豪語し松本にアドバイスをした上、「何もかも見えてるから、松本さんがいくつで死ぬかも、誰がいつ死ぬかも全部わかる」と諭してきたという。
松本は当時について「どんどん(霊能力者が)僕の中に入ってくる」「ちょっと僕、信用しかけたんです、本当に」と振り返る。そして霊能力者は、松本をプライベートの食事に誘い、松本もそれを承諾したとか。
ところが約束の日になると、霊能力者が「親しい知り合いが亡くなったから今日は行けない」と連絡をしてきたという。ここで松本は「お前、人の死分かるんちゃうやんけ」と気付き、初めて霊能力者を疑ったという》
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現実世界は時間とともにどんどん変化しているので、「何もかも見えてる」ということ自体がありえない、と私は思う。もしそんなことができてしまったらアタマが壊れる。身動きもしずらいし。
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松本人志の話でいえば、「何もかも見えてる」ならば、親しい知り合いの死はもちろん、松本人志との食事をドタキャンしてしまうことも見える、さらにそのことで松本人志に疑われてしまうことも見える、はずである。これでは最初から松本人志に近づく意味がなかった。ということになる。それも見えていなければおかしい。
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「何もかも見えてる」状態それ自体、無限に枝分かれしていく未来の前に立たされていることである。しかも、いま現在のたったひとつの小さな行動で、いや行動しないことでも、その無限に枝分かれしていく未来の様相はガラリと一変し続けているのである。
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“こーなればあーなる”の無限の幅と段階があり、さらにそれが変化し続けている。つまりそのすべてを見通すことは実際的に不可能である。目が回る。「何もかも見えてる」から見るのは不可能、という自己矛盾に陥ってしまう。
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それは別として、霊能力者、超能力者といわれている方々のアタマのなかで、世界はどのように理解されているのだろうか? これについてのきちんとした説明を、1度も目にしたことがない。いまは北関東の山奥だかどこだかでゴルフ三昧の日々を送っていらっしゃるらしい大槻義彦元教授(80)みたいだが。
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で、“こーなればあーなる”式で考えると、松本人志を食事に誘った霊能力者の親しい知り合いがそのとき死ななければ、松本人志は霊能者とメシを食い、その口車に乗せられて、さんざんむしり取られたのであろう。
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違うか? 松本人志はたいへん疑い深いので、いずれか早い段階でうさんくささに気付くのかもしれない。その人志が「どんどん僕の中に入ってくる」「ちょっと僕、信用しかけたんです、本当に」となってしまうことのほうに違和感がある。
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“超能力者”の浸透力、侮るべからずである。同じようなケースですぐに思い出すのは女占い師にゾッコンの中島知子(44)、借金までして貢いだという辺見マリ(65)、そしてこちらは自己啓発セミナーだけれどもXJapanのToshi(50)、最近では能年玲奈(22)と“生ゴミ先生”にも同じ匂いがする。
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で、「どんどん僕の中に入って」操るテクニックはすでにずっと以前に確立されているのである。1970年前後からIBMの脳科学研究所でさかんに行われていたトランスパーソナルの研究がその源流である。その成果は米軍の訓練にも導入され、自己啓発セミナーへと援用されていく。
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実際にどのように行われるかというと
1)自信を失わせる
2)外部との連絡を遮断する
3)認める
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の3つ。簡単。XJapanのToshiは、レムリアアイランドで「化け物アゴ男」とさんざん罵られたと語っていたし、中島知子と能年玲奈は、それぞれ占い師、“生ゴミ先生”と同棲状態で、情報を制限されている。また“生ゴミ先生”の指導法は、まずはコンプレックスを徹底的に叩くところから、といわれている。
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辺見マリの場合は、“よくないことが起きる”などとさんざん脅されたらしい。たいへん古典的な勧誘パターンだけれども、これも「自信を失わせる」ということでは一緒である。有名人や金持ちに取りついてうまい汁を吸おうとする怪しい輩はだいたいこのパターンをやらかしているので、少し気をつけて眺めていればすぐにわかる。
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「どんどん僕の中に入って」操るテクニックは、バリエーションはいろいろあっても、実に単純である。食べものをエサにいうことをきかせる犬のしつけの精神版みたいなものである。
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「どんどん僕の中に入って」操るテクニックは、単純なだけに、いろいろと応用が利きやすい。というか、セオリーを知らないでも、誰でもふつうに経験的に学べる。だからどこでも、いつでも私たちは「どんどん僕の中に入って」操るテクニックに晒されているのだと考えていい。
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まあ、たとえば6月18日にはAKB48選抜総選挙が行われたけれども、あれに群がる男たちについては、日常的に女に毛嫌いされていたとか無視されたとかで、すでに1)の「自信を失わせる」段階は完了していた、と見ることができるのである。たいへん申しわけないいい方だけれども。
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続いて膨大な量のAKB48情報で囲い込む。オーバーフローの状態にして他の情報を遮断する。で、握手。受け入れのイニシエーションである。まあ、こんなふうに意地悪くも考えられるということだ。
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一方、史上初の2連覇を達成し「どうか私を1位として認めてください」と涙ながらにお願いをしたというHKT48の指原莉乃(23)のほうはどうかというと、たぶんAKB内部でさんざん自信喪失させられてきたのである。スキャンダル報道で左遷させられたわけだし。可愛くも美人でもないし。
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HKT48でトップを取ったとはいっても、芸能人としての位置づけ、そして世間的にもそれほど認められているというわけではない。それは大島優子(27)だの高橋みなみ(25)だのの現状を見ればわかることだ。もちろん自分に彼女たちを上回る資質があるとも考えていないだろう。
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HKT48、つまりAKBという組織の内部にいれば、世間一般からの評価は伝わりにくい。どこの組織にもいえることだけれども、井の中の蛙である。情報が遮断されている。
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しかし、頑張っても頑張っても受け容れられた実感がもてず、で、悲鳴のようにでてきた言葉が「どうか私を1位として認めてください」なのだろう。自己啓発セミナーの受講生のようなセリフである。AKBの、たぶんまったく自覚のない「どんどん僕の中に入って」操るテクニックに漬かってしまっているのである。
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AKBは、選抜総選挙が象徴しているように外の世界に挑むというよりも“同じ仲間がライバル、敵同士”という構造だ。それ自体で完結した閉鎖された世界ともいえる。でもって徐々に互いへの締め付けが厳しくなり、結果としてカルト化してしまう可能性もなきにしもあらずだと思う。1度「解散総選挙」をやってみるといいのである。誰を残すか。
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ああ、いわゆる地下アイドルのなかはすでにカルトの領域に入っているものがあるのかもしれない。しかし、それについてはよく知らない。
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ともかく、もし、ほとんど初対面なのに、なにも失礼はしていないはずなのに、いきなり「化け物アゴ男」とか「怪物ニク女」とか「満月かおデッカ」とか罵ってくるヤツがいたら、ためらうことなく往復ビンタを食らわせてやるべきなのである。パンチはその次にとっておく。
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私も、自分の心は絶対に他人さまの勝手にはさせないのである。いくら貧しく狭くても。(了)
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