2019年3月18日月曜日

ボケがはじまってもこき使われる明石家さんまちゃんも可哀想



とうとう明石家さんま(63)批判が、ネットニュースとはいえ堂々と大手を振って出てくるようになった。しかも今回のコレ(↓)はダメさ加減がかなり精密に分析されていて説得力がある。煎じ詰めれば「トシ」のひとことで済んでしまうお話なのだけれども、ふだんからよほど思うところがあったのだろう。少し長いがご紹介しておく。長いのでメンドくさい方は飛ばしていただいてもけっこう。





◆『ビジネスジャーナル』2019年3月17日
【明石家さんまの“衰え”が業界内で話題に…話をオトせず、ゲストが愛想笑い、トーク制止】

《 最近、明石家さんまの様子がおかしいという。日本のお笑い界を30年以上牽引してきた“お笑い怪獣”に何が起きているのか?

「まずアドリブが出ない。そして、ゲストのトークを自分でオトせない。さらに致命的なのは、そもそも話を理解できないのです」(テレビ局関係者)

そんな不甲斐ない状態が、冠番組である『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で頻繁に見られるというのだ。多くの芸人が憧れるという“お笑いの戦場”で、御殿の主(あるじ)本人が精彩を欠いていることになる。たとえば、2月19日放送の同番組で、こんな一幕があった。

この日は、新入幕の力士・照強(てるつよし)が初出演した。彼は「強くなったら、今までうっとうしいなと思ってたことが、ありがたみに感じちゃうときがある」と、出世することでものの見方が変わったことを明かした。このまま聞き続ければ、おそらく“いい話”が待っている。ゲストも一様に「へぇ」と感心していた。

だが、さんまひとりだけは理解していないようで「えっ、何が?」と割って入ったのだ。そこで、照強はあらためて「今までウワッと思ってうっとうしいと思って聞いた部分が……」と言い直すはめに。そして、さんまの冷たい「えっ、何が?」に朝日奈央も「急に……怖い怖い。今、怖かった」と戦慄していた。よゐこ・濱口優も、「今メチャメチャ、ええ話ちゃいます? 割って入るなんて、性格疑われますよホンマに」とドン引き。一方のさんまは「ええ話でオープニング飾ろうとするから」と言い訳したが、照強は「たまにはいいじゃないですか」と反抗していた。

「自分の望む展開にならないと冷たくなる傾向は昔からありますが、最初の『えっ、何が?』という反応には、照強が何を話しているのか瞬時に理解できなかったフシがあります」(同)

また、アドリブが利かなかったり、とっさに言葉が出てこなかったりすることもあるという。3月5日の同番組で、参議院議員の三原じゅん子が事務所スタッフとドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)について話していたというエピソードのときのこと。三原は、25歳の秘書から「劇中に出てくるような不良学生はマンガだけの世界ですよね」と言われたことを明かした。三原といえば、過去にドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)の不良役で人気が急上昇した経緯がある。

これにアイドルグループ・りんご娘のリーダーの王林もビックリしていたため、三原が彼女に「バリバリって言葉知ってます?」と質問し、王林が「博多弁ですか?」と聞き返した。それに対して、すかさず「それ言うならバリカタや!」とツッコミを入れたのは陣内智則。さんまは、ただ笑うだけだった。

「おそらく、これまでのさんまなら抜群の瞬発力で何かしらツッコミを入れているでしょう。しかし、今はその瞬発力が衰えているのです。ツッコミができないときは、手に持つ指示棒を机の上で叩いて笑うしぐさをして逃れています」(同)

◆ さんまのトークに愛想笑いが続出?

2月26日の『御殿』では、映画『カメラを止めるな!』(アスミック・エース=ENBUゼミナール)のトボけた女プロデューサー役で名を馳せた女優・どんぐり(本名・竹原芳子)が初出演した。

もともと彼女は裁判所に勤めていたものの、50歳を機に若い頃から憧れだった吉本興業のお笑い養成所「NSC」に入ったという異色のキャリアを持つ。その興味深い半生を語り、そこから『カメ止め』の出演に至る話をしようとした瞬間、さんまは「もういいです」とシャッターを閉めてしまったのだ。これには、バイきんぐ・小峠英二も「せっかく温まってきましたよ今、急にぶったぎっちゃうから」と戸惑いを見せていた。

また、モデルのトラウデン直美にさんまが「(今後)女優さんになってくとかないんですか?」と質問した際、彼女が「どうなんでしょうね」と今後はまだわからない旨を答えると、さんまはいきなり「知らんがな! 今さら相談されても」と返した。これにも、小峠は「聞いといて『知らんがな』はないでしょ」、ケンドーコバヤシも「わからないんですよ、だから」、出川哲朗からは「彼女からすれば(さんまさんは)情緒不安定ですよ」とツッコミが続出した。

「かつてはテンポのあるトークでうまいラリーができていたさんまですが、それができなくなりつつあります。ひとりの話を広げていくことができないため、とにかくほかのゲストに『あなたは?』『あなたの場合は?』と話を振ることが多くなってきました。また、かつては新キャラを発掘してスターに育て上げる手腕にも定評がありましたが、最近の『御殿』は大久保佳代子などの芸人や丸山桂里奈など、さんまのイジリがなくても最初からおもしろい人材を何組も入れて、援護射撃を増やそうとしています。また、最近はさんまのトークに対するゲストの愛想笑いが痛々しいのも気になります」(同)

“お笑い怪獣”の名をほしいままにしてきた、さんま。時代遅れの怪獣にならないことを祈りたいものだが……。》





話はまったく違うけれども、どんぐり(59)の本名(竹原芳子)は知りたくなかった。人間っぽくなってしまう。たとえば夜道、小さな子どもの手を引いて歩いていて、ふとこちらを見上げたその顔が竹原芳子だったらあなたどうする?



もとい。えーっと、どこからお話していこうかな、というのは典型的なトシの徴候。でもってこれは後回し、ととっておいた話は忘れてしまう。しかし瞬発力はあって、思いついた瞬間に書くなり喋るなり処理できれば実にスムーズにコトは運ぶ。とはいえこれもまた少しでも溜めてしまうとまた思い出せなくなる。



私も最近ひしひしと感じているところなので、明石家さんまの苛立ちはよく分かる。60歳で引退させてもらえなかった残酷、その意味も含めて文字通りの老残である。



そんな明石家さんまにとっては都合の悪いことに、お笑いのステイタスがむかしに較べて徐々にだがずいぶん高くなってしまっている。明石家さんまがツッコむ相手もお笑い芸人ばかりではなくて一般芸能人、スポーツ選手、いわゆる文化人、と幅広くなってきた。



こういう人たちにツッコむ場合、その時点では自分のほうが相手より優位に立っていることを忘れてはいけなくて、うっかり忘れてツッコむとその相手にとっても見ている側にしてもイジメでしかなくなる。へらへら笑ってやり過ごすしかない相手に対してあーだこーだいい募るのは、それだけでパワハラっぽい。最近のさんまちゃんはこればっかり。都合の悪いことに、というのはこういうことだ。



かつて、お笑いがまだバカばっかりやっているくだらない連中の集まりと見なされていたころには、明石家さんまが一般芸能人、スポーツ選手、いわゆる文化人にまでツッコむことはなくて、バカ集団のなかでバカがバカをイジメている、という構図だった。だから無邪気に笑えた。しかしいまはそうではない。ツッコみが一般にまで解放されたので、そのツッコミのトゲは見ているこちらにも刺さる。



こういうふうにもいえる。お笑いというのはもともと弱者の表現手段だったのに、いまやお笑い芸人は明石家さんまを筆頭にして強者になってしまっている、と。どこかの殿様が一生懸命に臣下を笑わせていたという話を聞いたことがあるだろうか? お笑いは庶民の喜怒哀楽をすくいあげ、また世情やお上に皮肉をきかせて鬱憤ばらしをする娯楽だったのだ。あ、志村けんのバカ殿様は別ね。



強者になってしまったお笑いは庶民の生活から離れ、権力への批判もすっかり放棄してしまった。いまやそれ自体が権力だ。



とくにテレビの世界ではお笑いの強者ぶりが著しい。視聴率さえ取れればいいので。でもってその強者のなかの強者がツッコむ。フィクションの世界であるべきお笑いのなかに現実の力関係が入り込む。それがまた露骨に見えてしまう。まったくシャレにならないではないか。



明石家さんまばかりではなくて、松本人志(55)も同様。関東にもかつて石橋貴明(57)というイジメ芸人がいたけれども、こちらはようやく嫌われて駆逐されてしまった。



こういう時代にツッコミ芸人として晩年を迎えてしまった明石家さんまはたいへん不幸だ。そればかりか不快だ。順当にいけばもう少しでご長寿クイズの回答席にも座れるくらいなのに。どうすればいいのだろう? このまま老残の身を晒すしかないのだろうか?



くれぐれもご法度のクスリには手を出さないようにしなはれや。(了)



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