カニ石というのかカメ石といったのか、メンドくさいのでということもないであろうけれども、どっちでもいい感じのコウラ石だったのか忘れた。調べてもなかなか出てこない。漬物石を二回り三回りくらい大きくしたつるんとした表面に、水が流れてできた跡のような指くらいの太さの深い溝が何本も交叉してデコボコしているヤツ。田舎のジイちゃんがどっかの河原から拾ってきて玄関先なんかに置いて可愛がっているヤツ。
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そいつの適当な場所に口紅を塗ると平野ノラ(39)の顔になるような気がする。うん、そうすると平野ノラの顔は呪いの人面石にも近いということになるけれども、それもまあまあ当たっているような気がする。平野ノラの顔は縦に潰すとキンタロー。(36)にもなる。
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たとえば今いくよ(享年67)とか、ギリヤーク尼ヶ崎(87)とか、こういう平野ノラタイプの顔の人はけっこういる。美人などとときどきいわれているようであるけれども、私には悪い冗談にしか聞こえない。
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コウラ石や呪いの人面石などに似ている集団から自然発生したものでないとすれば、平野ノラのあの顔は完全にあっち系つまりオカルト系の顔である。もう少し下地の塗りを厚くして白装束姿で富岡八幡宮の境内にぼんやり立たせれば、悪因縁の権化としてていねいにお祓いをしてもらえるであろう。
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人の名前をもったいない!! と思ったことはなかったけれども、平野ノラという名前はもったいない。素晴らしすぎる。「ノラ」はイプセン(享年78)の戯曲「人形の家」のヒロインの名前であり、「平野」はフランス文学者であり詩人、薬物中毒者でもあった平野威馬雄(享年86)の「平野」である。自動的に平野レミの父さん、上野樹里(31)の義理のじいちゃんの「平野」でもある。コウラ石にはほんとうにもったいない。
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そんな平野ノラがどうしたかというと、コレだ。
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◆『オリコンニュース』2017年12月25日配信
【平野ノラ、同じ年の会社員男性と結婚 交際6年、26日に婚姻届提出】
《お笑い芸人の平野ノラ(39)が25日放送の日本テレビ系『有吉ゼミ』(毎週月曜 後7:00)に出演。6年間交際した同じ年の会社員男性とあす26日に結婚することを発表した。
番組エンディングのスタジオで、「私平野ノラは結婚します」と宣言し、あす26日に婚姻届を提出することを発表。男性は筋トレが趣味という同じ年の一般男性で、平野とは約6年にわたって愛を育んできた。最後に満を持しての発表だったが、司会の有吉弘行からは「そんなにありがたみがないね」とイジられ、笑いが起きていた。
平野は“蟹江敬三”似の彼氏と結婚間近であることを、これまでもたびたびテレビで明かしてきた。2月にフジテレビ系『ダウンタウンなう』に出演した際は、電話越しに男性から公開プロポーズを受け「いいとも!」と快諾、10月末放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)では両家顔合わせを済ませたことを報告し、共に番組出演した母親に年内の結婚を改めて宣言していた。》
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笑った。申しわけないけれどもこの記事をはじめて見たとき声を上げて笑った。これまでの平野ノラでいちばん笑わせていただいた。年末入稿おっと間違いた(by荒木経惟)年末滑り込み結婚・入籍で、ジャングルポケット斉藤慎二(35)、岡田准一(37)&宮﨑あおい(32)、トレンディエンジェル斎藤司(38)、道端アンジェリカ(32)、ときて次は誰かなーどんなかなー、と楽しみにしていたら平野ノラ。白鳳(32)もやらない壮絶な肩すかしである。しかも振り出しに戻る、な感じである。性格の悪い私はこういうところで笑う。
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なんというのか、子どものころオトナに交じって川遊びをし、かなり本格的な網を仕掛けてワクワクして待っていたら魚は一匹も入っておらず、よくよく見たらヘンなゲジゲジみたいな虫が1匹へばりついていた、みたいな感じである。平野ノラにはなんの恨みもないけれども、こういう間の悪い人間は大成しない。たぶん来年には消えるのではないか。
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消えるといえばウーマンラッシュアワーの村本大輔(37)は今年中には消える、と年明けに予想したけれども、最後の土壇場にきて逆転のホームランをかっ飛ばしてくれた(「THE MANZAI」フジテレビ2017年12月17日放送)。たいへん見事な一撃、おみそれいたしました。来年もまたあの完成度の高さで2、3発、ぜひ喰らわせていただきたい。
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で、そんなこんなでみなさま次々に結婚するのであるけれども、なぜ結婚するのか、どうしてそんなに結婚したいのか、あまりよくわからない。楽しいのは最初のうちだけ、そのうちケンカしたり失望したり、やっぱり育ってきた環境が別々なのだからと思ってみたり、なんだかんだすったもんだが出てくるわけである。たぶん。子どもを産み育てるために、はわかるけれどもそれでも夫婦はたいへんだ。
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まわりを見ていると、熱が冷めてお互いいったん嫌いになって、それでも戸籍なんかに縛られて長〜く一緒に暮らしていると、そのうちなんとなく擦りあってくるというのか諦めもつくというのか、穏やかな境地に到る、という場合があるようである。
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これは否が応でもなんでもとにかく無理やり一緒に暮らし続けるという難行苦行の果てにようやくたどり着ける至高の境地であろう。ここまでいくと、お互いに相手に対して借りのようなものも感じていたりする。
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しかしこうして築かれた関係は、もちろん結婚当初の関係とはまたまったく別ものである。序破急にならえば楽諍無である。らく・そう・む、の「無」。
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で、ついもののはずみで結婚してしまったのであれば、ぜひ3番目の「無」の境地にまで達していただきたい、と思うのである。「無」を含めて結婚の全体なのだ。「無」のない結婚なんて、頬骨の引っ込んだ平野ノラ、前歯の抜けた明石家さんま、ヅラを忘れた加山雄三である。欠落感が大きすぎる。
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であるから、相手にこれといった大きな欠点がなく、それでもどうしても離婚したいというのであれば、「無」の境地に到ってから離婚すればいいのである。そうすれば恨みつらみばかりが募って残ることもない。私は本気でそう思う。(了)
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