2015年10月5日月曜日
嫌われ者のフジテレビ。その理由を、人にたとえて説明
フジテレビの苦境がさらに深刻なのである。8月25日には、ゴールデン帯(19:00〜22:00)の平均視聴率3.6%、プライム帯(19:00〜23:00)で同3.5%という、おおげさでなく歴史的異常事態まで招いてしまっているのである。
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視聴率の低迷は当然、CM枠の売上にも影響してくるのである。プライム帯のタイムCMでは日本テレビ、テレビ朝日、TBSに遅れを取り、スポットCMの売上でもテレビ朝日に急追されているのである。
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というわけで、これまでは広告代理店相手のオトノサマ営業がもっぱらだったフジテレビの営業も、ようやくクライアント回りをはじめているのである。しかしすでにとき遅しなのである。低下し続ける視聴率が営業の足を強烈に引っ張っているのである。
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もちろん、フジテレビも手をこまねいてばかりいたわけではないのである。今年4月にはゴールデン帯の改変率43.8%という大幅な番組編成の見直しをしたのである。さらに昨年6月には、全社員の3分の2を配置転換する「1000人大異動」を断行してもいるのである。
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それでも、業績はいっこうに改善の兆しがないのである。少なくとも亀山千広(59)が社長に就任した2013年以来、フジテレビは一貫して下り坂なのである。「亀山モデル」は、テレビ放送でも家電(Sharp AQUOS)でも、かつての栄光を取り戻すことはできていないのである。むしろさんざんなのである。
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なぜフジテレビがこんな状態になってしまったのかというと、嫌われているからである。単に番組が面白くないから見ない、嫌いなタレントが出ているから見ない、というレベルではないのである。もはやフジテレビそのものが嫌われてしまっているのである。
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そんな視聴者の代表的な態度は「テレビは点いてさえいればなんでもいいのだけれど、フジだけは素通り」、というパターンである。私自身はそれほど極端ではないが、周囲にはけっこう多いのである。前代未聞である。テレビ離れは、まずフジテレビから進行しているのである。
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では、なぜ嫌われてしまったのか? である。好き嫌いの話なので、人にたとえるとわかりやすいのである。それは[1]上から目線である [2]人の話を聞かない [3]なにをしたいのかわからない の3点だと思うのである。こんなヤツとはどうしても友だちにはなれないのである。少し説明しよう。
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[1]上から目線である
いいかたを変えれば、いつもどこか自信満々な感じである。もちろ自信の裏付けなどはないのである。たとえばフジテレビは、同工異曲の企画やすでに支持を失っている企画を、性懲りもなく繰り返し出してくるのである。月曜夜9時の連続ドラマ「月9」が代表である。営業的な要請もあったのであろうが、テレビを見ているこちらとしては「内容はまあこんなもんでしょ」という声が聞こえてくるよう気さえするのである。
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そして、おそらくはこの番組がさんざんな結果に終わったにしても、担当者の自尊心は傷つかないのだろうな、と思わせられるのである。しかし残念ながら、こちらは、エサを投げ与えられるのを待っている家畜のように番組を待っているわけではないのである。テレビなど、もうとっくにお腹いっぱいなのである。
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元をたどっていけば、まずは社員のみなさんに、厳しい受験戦争、就職戦線を勝ち抜いてきたのだという選良意識が、どうしてもあるようなのである。そのうえでSPI高得点・高バランスタイプなのである。上から目線になるのも当然といえば当然なのである。しかしそれでは嫌われるのもまた当然なのである。
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幼小中高と必死に勉強し、東大を卒業して憧れのフジテレビに入社したものの、横山やすし師匠(享年51)の楽屋のドアをノックし忘れ、ビンタ1発!! 心折れて退社していった先輩の教訓を生かさなければならないのである。いくら30歳で平均年収約1800万円の好待遇にありつけたとしても、フジテレビに就職したというだけであぐらをかくのは大間違いなのである。
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で、勉強のしすぎからか「テレビは時代の先端である」とか、「テレビには何かができる」とかいうバブル時代の幻想をいまだに後生大事に抱いているのである。これを完全に捨て去らない限り、再起へのスタートラインにすら立てないであろう。
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[2]人の話を聞かない
フジテレビがステークホルダーそれぞれに振り分けている優先順位は、おそらく(1)スポンサー (1)関連企業 (1)従業員(1)株主 (5)視聴者 である。あまりにも視聴動向に対するレスポンスが遅いのである。これについてはこれだけで十分である。
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[3]なにをしたいのかわからない
フジテレビの、自身の危機に対してのなんらかのアクションが、具体的に画面に反映されたところを、まだ見たことはないのである。番組を入れ替えても、実際のところは、新しいものなど何もなかったのである。
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そういえば、6月11日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』内の「石橋温泉」というコーナーで、森三中の黒沢かずこ(36)が不満をぶちまける場面があったのである。
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制作会社のプロデューサーに向かって「フジの特番で雰囲気が悪かったのに、フロアに出てこないでヘラヘラしてる」となじり、「だいたいフジテレビの現場は雰囲気が悪い」と毒づいたのである。
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続いてフジの社員プロデューサーを呼び出して「すぐ制作のお金で何かしようと思ってるでしょ」「飲む金あるなら製作に回せよ!!」「上に媚びるな!! もっと若手スタッフにチャンスやれよ!!」だったのである。お笑い番組、お笑い芸人というエクスキューズ括りのなかであったにせよ、よくオンエアしたものである。
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そして10月3日放送の『めちゃ×2イケてるッ! しれっと19周年なんでめざせ問題ゼロSP』に、その続編ともいうべき企画が出現したわけである。「本当にあったフジ縛霊の怖い話」というコーナーである。藤崎マーケットだとか、インパルス板倉俊之(37)だとかが、フジテレビに対するというよりも、ディレクターに対する恨みつらみを吐露したわけである。
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明らかに6月11日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』よりもトーンダウンしているのである。私はこの「本当にあったフジ縛霊の怖い話」は、「石橋温泉」の黒沢かずこ発言への回答だと受け取ったのである。
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つまり黒沢かずこ発言は、いまだに具体的な改善策に反映されていないのである。しかし「本当にあったフジ縛霊の怖い話」を見れば、「石橋温泉」を思い出すのはあたりまえなのである。で、こんな煮え切らない中身でお茶を濁していては、わざわざ落胆と反発を招くだけなのである。なぜこんなことをするのか理解に苦しむのである。
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これもまたすべてシャレにして誤摩化そうとする魂胆なのかもしれないのである。しかし、それはそれでけっこうなのである。こちらは他にもいろいろとやることがあるのである。たいへん申し訳ないいい方になるが、いつまでも係わり合ってはいられないのである。(了)
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